調査日:

2024年2月12日 (月)

写真リスト：

2/12写真 保管Bank

作成者(追記者)：

西（河又・藤原）

<aside> <img src="/icons/bookmark_gray.svg" alt="/icons/bookmark_gray.svg" width="40px" /> 調査概要 2月12日は、加賀市・小松市・金沢市を中心に調査を実施。 ヒアリングは、加賀市役所・クロスガーデン加賀・中谷宇吉郎雪の科学館で実施。

</aside>

調査先

石川県加賀市

• K-NET加賀
• 加賀市役所
• abio city　加賀
• クロスガーデン加賀 (加賀商工会議所/北國銀行)
• 中谷宇吉郎雪の科学館／加賀市下水道浄化センター
• 柴山潟湖畔公園

石川県小松市

• K-NET小松
• 小松市天満宮
• 小松市総合体育館

石川県金沢市

• K-NET金沢
• 金沢市営陸上競技場
• 石川県立金沢北陵高校

調査報告

<aside> <img src="/icons/city_gray.svg" alt="/icons/city_gray.svg" width="40px" /> 石川県加賀市

1. K-NET加賀

   加賀市役所敷地内の東側、県道142号線沿いに設置されている

   • 外観調査
     • K-NET加賀の設置場所周辺の地盤の起伏や容器の損傷等は見られなかった

2. 加賀市役所

   石川県加賀市大聖寺南町ニ 41番地。JR大聖寺駅から北東に約300mに立地

   • 地盤情報（一財）国土地盤情報センター、https://ngic.or.jp/　近隣の柱状図（大聖寺南町／大聖寺警察署）参照

     • 支持層まで25~30m程度（約30mの支持杭というヒアリング内容と整合）
     • G.L.-20m付近までN値10以下の粘性土（一部砂層含む）

   • 外観調査

     • 構造被害：
       • 特になし
     • 外装被害：
       • 旧館には軽微な損傷（旧館西側外壁の落下＋旧館東側外壁の浮き）が見られるが、築30年程度の新館については、被害は見られなった
     • 室内被害：
       • 棚は倒れていない
       • 新館ではロッカーが倒れる等の被害があったとのこと

   • 写真

     加賀市_加賀市役所

   • ヒアリング

     加賀市役所ヒアリング

1. abio city 加賀

   石川県加賀市作見町25-1。JR加賀温泉駅の南側に隣接している大型ショッピングモール。南西側に加賀市美術館があり、渡り廊下で接続されていた

   • 地盤情報（一財）国土地盤情報センター、https://ngic.or.jp/　加賀温泉駅付近の柱状図参照

     • 加賀温泉駅付近に2箇所の柱状図（以下、柱状図①②と定義）。G.L.-8m以深について、大きく傾向が異なる
     • G.L.-6m程度まではN値10以下の粘性土層（一部細砂）、G.L.-6m～-8mに砂礫層
     • 柱状図①は、G.L.-8m～G.L.-13mは粘性土層・砂質土層の互層で、N値は20強を示す。G.L.-13m以深はN値50を超える砂礫層。柱状図②は、G.L.-8m～-12mでN値10以下の粘性土層、G.L.-12m～-15mまでN値50以上の砂礫層、G.L.-15m以深はN値10以下の腐植土混じりの粘性土層

   • 外観調査

     • 構造被害：
       • 美術館とabio cityとの連結部分の渡り廊下が、美術館側の境界部分にて崩落。調査時は周囲から完全に遮断されていた。市役所でご提示いただいた写真を見る限り、渡り廊下のスラブと建物を繋ぐ鉄筋が見られず、スラブを乗せていただけと推定される
     • 室内被害：
       • セントラルコートと呼ばれる吹き抜け部の四隅付近で、天井パネル等の非構造部材の損傷が見受けられた。また、この吹き抜け部に設置されている昇降エレベーター２セットが故障していた

   • 写真

     加賀市_abio city 加賀

1. クロスガーデン加賀

   石川県加賀市小菅波町1-130。加賀温泉駅から南南西350mに立地。竣工は2023年４月。加賀商工会議所、北國銀行のオフィスがある他、レンタル店舗スペースや貸し会議室などが運営されている

   • 地盤情報（一財）国土地盤情報センター、https://ngic.or.jp/　小菅波町2丁目の柱状図参照

     • G.L.-3m付近まで軟弱な有機質土、G.L.-3m以深は砂礫層（地表面の標高が，加賀温泉駅の柱状図①②より3m低いため，砂礫層が現れる標高はほぼ同等）
     • G.L.-6mまではN値40を超える砂礫層。それ以深は、N値14～31の粘土混じり砂礫層・中砂層、N値15程度のシルト層。

   • 外観調査

     • 建物が基礎ごと滑っており、建物外構のポーチライトや植栽を押し倒していた。また、外周部のアスファルト舗装は、押し上げられた（調査時は撤去済み）。軟弱層が3m程度と浅く、その下にN値の高い砂礫層があることから、置換工法や浅層混合処理等で表層部分の地盤改良を行って、その上に上部構造物を建設したものと推定される
     • 建物正面の鉄骨階段のアンカーのボルトがルーズホールの端ぎりぎりまで動いており、建物が大きく滑動したことを示している
     • 地震直後は下水設備が機能しなかったとのこと。建物の滑動により、建物への取付管が破断した可能性あり。石川県発表の被災状況を調べたところ、下水道被害の報告はなく（給水されるかどうかで判断できる上水道と異なり、被害状況の把握が難しいため）、主幹管路の損傷等の被害があったかは不明

   • 写真

     加賀市_クロスガーデン加賀

   • ヒアリング

     **クロスガーデン加賀(加賀商工会議所/北國銀行)**ヒアリング

1. 中谷宇吉郎雪の科学館／加賀市下水道浄化センター

   石川県加賀市潮津町イ106。中谷宇吉郎雪の科学館は、柴山潟の北西岸に立地する柴山潟湖畔公園内に設置されている、雪にかかわる博物館で、1994年に竣工。科学館の北隣には、供用開始から50年近く経過している加賀市下水浄化センターが設置されている

   • 地盤情報（一財）国土地盤情報センター、https://ngic.or.jp/　下水道浄化センター近傍の柱状図参照
     • G.L.-6m程度まで緩い砂質土槽（礫を含むため、一部N値が高い層あり）があり、地震により液状化が発生したと想定される。G.L.-21mまでN値0~1の軟弱な粘性土層が続き、N値50以上の砂礫層に至る
   • 外観調査
     • 構造体に損傷はない
     • また、内装・什器については被害がない。地盤の液状化により、加速度が減衰したことにより、被害が低減した可能性あり
     • 建物外周部は軟弱地盤のため、地盤沈下が多数発生。ただし、建物のフーチング基礎部については杭を打っているため、沈下していない
     • 建物は沈下していないが、周辺地盤が沈下しているため、建物と周辺地盤に、鉛直下方の相対変位が生じた　→　周辺の管路が破断
     • 駐車場では、液状化に伴う噴砂跡が見受けられた。また、マンホールと周辺の舗装面に段差が生じていたが、マンホールが浮き上がったというよりも、マンホール周辺の地盤が沈下したことが原因と思われる </aside>