調査日:
2024年4月13日
写真リスト:
4/13写真 保管Bank
作成者(追記者):
青木(河又)
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<img src="/icons/bookmark_gray.svg" alt="/icons/bookmark_gray.svg" width="40px" /> 調査概要
4月13日は、珠洲市・輪島市を中心に調査を実施した。
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調査先
石川県珠洲市
- 正院小学校
- 正院公民館
- 西光寺
石川県輪島市
- 輪島市役所
- 河井町
石川県穴水町
- 穴水町役場
調査報告
地盤情報については、以下を参照している
(一財)国土地盤情報センター、https://ngic.or.jp/
北陸地方整備局 石川県内の液状化しやすさマップ、https://www.hrr.mlit.go.jp/ekijoka/ishikawa/ishikawa.html
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<img src="/icons/city_gray.svg" alt="/icons/city_gray.svg" width="40px" /> 石川県珠洲市
今回は、珠洲市役所から東に3 ~ 4 km移動したエリアに位置する、飯川沿岸の正院地区(正院小学校、正院公民館)を中心に調査を行った
1. 正院小学校
住所:珠洲市正院町川尻1部39番地
正院小学校北側には高さ15mほどの丘があり、崩壊していた
避難場所として利用されており、校庭には、仮設住宅76戸が設置されていた
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地盤情報
- 周辺の柱状図が無いため、西光寺付近の柱状図を参照。緩い砂質土層は約2m程度。地下水位は非常に浅い(G.L.-20 cm)
- 正院小学校が立地しているエリアは、液状化危険度2に分類されている
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外観調査
- 体育館の外壁は崩れ、内部にはがれきがれき等の集積所となっていた
- 校舎周辺の地表面が沈下していること、校舎と周辺地盤の隙間から噴砂が生じた跡が見受けられること、校舎周辺の側溝に砂が流入していたことなどから、地盤の液状化が発生したと考えられる
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写真
珠洲市_正院小学校
2. 正院公民館
住所:石川県珠洲市正院町22部2番地1
地震・土砂災害発生時には、避難場所としてしてされている
正院公民館の東側約15 mには飯川が流れている。間地ブロックの段数より、護岸の高さは約2.5 mと推定される。護岸の天端には幅員6m程度の道路が設置されており、公民館は道路からさらに2 m程度高い場所に位置している。傾斜していた現地盤に盛土をして、公民館を建設する土地を造成したものと考えられる
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地盤情報
- 周辺の柱状図が無いため、西光寺付近の柱状図を参照。緩い砂質土層は約2m程度。地下水位は非常に浅い(G.L.-20 cm)
- 周辺エリアは、液状化危険度2とされている
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外観調査
- 飯川沿いの河川護岸が大きく川側にはらみ出していた。飯川内に相当量の土砂が流入しており、また、公民館西側の空き地に噴砂の跡が見られた。以上のことから、護岸背面地盤が液状化して、護岸が川側に押し出されることにより、顕著な側方流動が生じて、公民館周辺の地盤が大きく沈下したものと考えられる。沈下量は最大で1 mを超えていた
- 公民館東側の地盤が大きく流動・沈下することにより、東側エリアに埋設されていたすべての配管が、継手部で外れていた。
- 公民館の南北の地表面には顕著なひび割れが見られ、駐車スペースや側溝が損傷していた
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写真
珠洲市_正院公民館
3. 西光寺
石川県珠洲市正院町正院22部41番地。正院公民館の西隣に立地している
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地盤情報
- 西光寺付近の柱状図から、緩い砂質土層は約2m程度。地下水位は非常に浅い(G.L.-20 cm)
- 周辺エリアは、液状化危険度2とされている
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外観調査
- 御堂は北側が沈んで傾斜していた。石場建てで、礎石の上に縁側を支える柱が乗っているだけの構造だが、全体が滑動する前に、柱-縁側接続部が損傷したため、御堂が傾いてしまったものと思われる
- 北東の入り口付近に噴砂の跡が見られたものの、その痕跡は局所的であり、御堂・釣鐘堂の損傷や墓石の転倒に影響したかどうかは不明
- 墓石は大半が転倒、倒壊していた
- 釣鐘堂は完全崩壊していた
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写真
珠洲市_西光寺
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<img src="/icons/city_gray.svg" alt="/icons/city_gray.svg" width="40px" /> 石川県輪島市
今回の調査では、①輪島市役所とその周辺エリア(二ッ屋橋、気勝橋、鳳至川沿岸の住宅地、上新橋)、②河井町(朝市エリア)、③河井町(朝市エリア以外。河原田川右岸の住宅地、倒壊したビル)、④マリンタウンを踏査した
1. 輪島市役所および周辺エリア
住所:輪島市二ツ屋町2-29(市役所)
- 地盤情報
- 輪島市役所敷地内の柱状図では、地震により液状化する可能性のある緩い砂質地盤は見られない。G.L. -2~-4 m付近に固い砂礫層が認められるが、それを除けば、軟弱な粘性土層がG.L. -30 m近くまで続いている
- 一方、市役所が立地している鳳至川と河原田川に挟まれたエリアおよび鳳至川左岸エリアは、液状化危険度3とされている
- 外観調査
- 市役所は、周辺地盤が約20 cm沈下しており、段差が生じていた。一方、噴砂の跡など、液状化の痕跡はほとんど残っていなかった(撤去済みの可能性あり)
- 市役所南東側の二ッ屋橋は、中央の橋脚上に2つの橋桁が設置されている構造となっているが、地震により一方の橋桁がもう一方の橋桁に乗り上げるような形で損傷していた。また、水平方向にも大きくズレていた
- 市役所西側に流れる鳳至川を跨る気勝橋、河原田川に掛けられている上新橋の取付部は、新しく舗装されていた。地震により取付部の地盤が沈下して段差が生じたため、応急処置して通行できるようにしたものと考えられる
- 鳳至川の間地ブロック護岸は、ブロックの段数から高さ約3mと推定される。両岸とも中央より少し下の位置で、間地ブロックの目地が開いており、護岸下部が上部よりも大きく川側にはらみ出していると推定される。左岸(西側)では、複数の家屋が倒壊して、電柱が大きく傾斜していた。倒壊家屋近傍の護岸は大きく川側に移動しており、家屋倒壊の一因になっている可能性が示唆される。今後の詳細調査が待たれる
- 河原田川の護岸についても、部分的に、目地が開いていたり、崩壊していたりしていた
- 写真
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<img src="/icons/city_gray.svg" alt="/icons/city_gray.svg" width="40px" /> 石川県穴水町
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