調査日:
2024年4月14日
写真リスト:
4/14写真 保管Bank
作成者(追記者):
青木(河又)
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<img src="/icons/bookmark_gray.svg" alt="/icons/bookmark_gray.svg" width="40px" /> 調査概要
4月14日は、七尾市・河北郡内灘町を中心に調査を実施した。
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調査先
石川県七尾市
- 和倉町
- 能登島向田町
- 府中町員外
石川県河北郡内灘町
- 鶴ケ丘
- 西荒屋
- 室
調査報告
地盤情報については、以下を参照している
(一財)国土地盤情報センター、https://ngic.or.jp/
北陸地方整備局 石川県内の液状化しやすさマップ、https://www.hrr.mlit.go.jp/ekijoka/ishikawa/ishikawa.html
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<img src="/icons/city_gray.svg" alt="/icons/city_gray.svg" width="40px" /> 石川県七尾市
七尾市では、日本有数の温泉街を有する①和倉町、地震後に津波が押し寄せたとされている②能登島向田町、大規模な埋立地盤の液状化が発生した③府中町員外(七尾マリンパーク、能登食祭市場)を調査した
1. 和倉町
住所:石川県七尾市和倉町
和倉町の北西部に位置するホテル加賀屋・和倉港周辺および和倉温泉湯っ足りパーク周辺を中心に調査を行った
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地盤情報
- 加賀屋周辺の柱状図より、液状化層厚は2m程度と推定
- 和倉町の七尾湾岸部は、液状化危険度3と評価されている
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外観調査
- 数多くのホテルが、七尾湾沿岸に護岸を設置して、造成された背面地盤上に建設されている。地震により護岸が海側にはらみ出したため、海側に倒れ込むように傾斜しているホテルが数多く見受けられた
- 和倉港周辺の公園には、激しい噴砂の跡が残っており、その周辺護岸も海側にはらみ出して、護岸法線が波打っていた
- 和倉温泉湯っ足りパークでは、地表面に顕著なひび割れが発生していた。これも、護岸が海側に移動して、背面地盤が沈下したことが原因である
- 上記の被災状況は、護岸背面地盤が液状化したことに起因する、もっとも典型的な被災パターンの一つである。杭基礎で支持されている沿岸部のホテルを補修する場合は、護岸の補修・耐震補強や、杭基礎の損傷度評価を慎重に検討する必要があると考える
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写真
七尾市_和倉町
2. 能登島向田町
住所:石川県七尾市能登島向田町
地震発生後に、津波が押し寄せたエリアに相当する、向田漁港およびその周辺エリアを調査した
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地盤情報
- 柱状図を見ると、周辺の現地盤はシルト~泥岩だが、液状化危険度は3とされている
- 漁港エリアの液状化危険度は評価されていないことから、埋立地盤と推定される。岸壁の上から海底面が見えることから、水深はかなり浅い
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外観調査
- 公園として整備されているエリアには噴砂の跡が残っていた。漁港岸壁の背面に砂が山積みされており、噴き出した砂を撤去した跡とみられる
- 岸壁が海側にはらみ出しており、天端が大きく沈下していた。岸壁背面の地表面も沈下して、舗装が顕著に陥没していた
- 防波堤は中央付近が大きく沈下しており、天端が水没していた。また、パラペットにも顕著なひび割れが発生していた
- 現地の漁師さんのお話によると、温暖化の影響か、近年海面が高くなってきており、夏の大潮の際には、被災前の岸壁天端近くまで海面が上がるとのこと。今回、天端が沈下してしまったため、潮位が高い時期には、岸壁背面の広い範囲が水没するとみられる。調査時では、岸壁に顕著な被害が出ているものの、出漁は可能であり、ナマコ漁を行っているとのことだった
- また、地震発生直後には、漁港の背後の丘の上にある能登島ガラス美術館に避難したため、津波来襲時の状況は目撃していないとのこと
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写真
七尾市_能登島向田町
3. 府中町員外
石川県七尾市府中町員外13−1
七尾湾に面した臨海公園「七尾マリンパーク」および道の駅「能登食祭市場」が立地している
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地盤情報
- 七尾マリンパーク敷地の液状化危険度は評価されていない。埋立地盤と考えられる
- 七尾湾の柱状図の孔口標高より、水深は 3~5 m程度と推定される
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外観調査
- 能登食祭市場は、営業再開に向けた工事が行われていた
- 七尾マリンパークの護岸では、至る所に噴砂の跡が残っており、地震発生時の液状化の規模をうかがい知ることができる。1995年兵庫県南部地震をはじめとして、多くの地震後で見られたように、護岸が海側にはらみ出したり、移動したりすることにより、護岸背面地盤が大きく沈下していた
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写真
七尾市_道の駅 能登食祭市場周辺
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<img src="/icons/city_gray.svg" alt="/icons/city_gray.svg" width="40px" /> 石川県河北郡内灘町
今回の調査では、2月に実施した1回目の調査で調査できなかった範囲として、河北潟放水路の南側に位置する①鶴ケ丘、西荒屋小学校よりも北側の②西荒屋、西荒屋よりもさらに北側の③室の3エリアを踏査し、液状化被害の状況を把握した
1. 鶴ケ丘
住所:河北郡内灘町鶴ケ丘2丁目
今回の調査では、液状化被害が集中している、内灘総合グラウンドの南側の区画(鶴ケ丘2丁目)を踏査した。調査時で、地震発生から3.5ヶ月経過していたが、噴き出した砂の撤去が進んでおらず、復旧の難しさをうかがい知ることができる
- 地盤情報
- 鶴ケ丘小学校敷地内の柱状図より、地表面はから12~15mは中砂層。一部深度で低いN値を示しており、全層的に緩いというわけではない
- 鶴ケ丘小学校は、液状化危険度3のエリアに立地している。一方,今回調査した地域は危険度4のエリアであり、上記の地盤条件よりも緩く堆積している可能性がある
- 外観調査
- 写真
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