被災地調査について

<aside> <img src="/icons/bookmark_gray.svg" alt="/icons/bookmark_gray.svg" width="40px" /> 地震減災実験研究部門として、震度5弱と５強が観測された地域について能登半島地震被災地調査を2024年2月12日～2月14日の計3日間実施。調査結果を示す。

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調査概要

調査場所

加賀市 小松市 金沢市 内灘町 羽咋市 氷見市 高岡市

調査目的

全体目的

上記の都市の被害状況の把握

地方自治体や小学校・住民の方へのヒアリングを通じて、災害発生後の状況や授業再開や避難所の開放の判断時に問題となったことや必要となった情報等を把握する

調査範囲内のK-NETの設置場所の確認

建築

**対象建物：**木造と中低層S造、低層RC造

• 設計時の想定レベルである告示波(極稀)と(稀)相当の入力が観測された地域における建物の損傷状況を調査 それに加え、特に特徴的な成分が観測された地域（K-NET加賀・小松）での被害の違い
• 震度5強・5弱で構造躯体は損傷していないが、内部の非構造部材の損傷が観測されることが考えられるため、非構造部材の損傷調査

地盤

各地の液状化被害のメカニズムは，既に多くの研究者が報告されているため，以下に注目して調査を行う

• 地盤の側方流動と，道路や目に見えない部分（基礎・埋設管など）の被害の推定
• 避難や復興を妨げたり，後発災害リスクを高めたりする要因となる被害

調査ルート

全体ルート（令和6年2月12日～14日）

令和6年2月12日調査場所，左から加賀市，小松市，金沢市

令和6年2月13日調査場所，左から羽咋市，氷見市

令和6年2月14日調査場所，左から高岡市，内灘町

調査レポート

<aside> <img src="/icons/document_gray.svg" alt="/icons/document_gray.svg" width="40px" /> 調査報告書(2月12日)

調査レポート(2/12)

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<aside> <img src="/icons/document_gray.svg" alt="/icons/document_gray.svg" width="40px" /> 調査報告書(2月13日)

調査レポート(2/13)

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<aside> <img src="/icons/document_gray.svg" alt="/icons/document_gray.svg" width="40px" /> 調査報告書(2月14日)

調査レポート(2/14)

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調査写真

<aside> <img src="/icons/photo-landscape_gray.svg" alt="/icons/photo-landscape_gray.svg" width="40px" /> 2024.02.12 写真

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<aside> <img src="/icons/photo-landscape_gray.svg" alt="/icons/photo-landscape_gray.svg" width="40px" /> 2024.02.14 写真

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<aside> <img src="/icons/photo-landscape_gray.svg" alt="/icons/photo-landscape_gray.svg" width="40px" /> 2024.02.13 写真

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まとめ

• 今回は、各学会の被災地調査報告やニュースを基に調査対象地域を選定して、3日間で広い範囲を調査した。他機関の調査報告が少ない範囲を中心に、独自の調査ができたと考えている。
• 木造住宅
  • 比較的新しいとみられる家屋であっても、地盤の液状化や側方流動によって傾斜、残留変形を生じて、応急危険度判定で危険と判定されているものがみられた。
  • 古い木造家屋が離隔距離なく密集している地域（氷見市北大町、高岡市伏木万葉町）では、隣接した家屋が接触している例や、2棟並んで倒壊した例がみられた。地震中の家屋同士の衝突や、一方の家屋の倒壊によって他方の家屋の倒壊が引き起こされた可能性がある。また、家屋の密集によって、復旧工事が大きく制約されることが予想される。延焼などの防災上のリスクも高いと考えられる。
  • 1階を店舗、2階を住居としていると考えられる木造家屋では、1階の道路側に大きな開口が設けられており、この開口部がブルーシートで覆われている例が多くみられた。開口によって大きな変形が生じたと考えられる。
  • 全壊した家屋のがれきや外壁の剥落部分から構造材を確認した限りでは、柱と土台、梁、筋交いとの接合部に金物は確認されなかった。
• 建物（非木造住宅）
  • abio city加賀での連絡通路の落橋以外では目立った構造物被害はみられなかった。
  • ヒアリングした範囲では、大きな室内被害は確認されなかった。
  • 金沢市の北稜高校や氷見市の宮田小学校などの顕著な地盤被害がみられた箇所でも、建物に傾斜、変形はほとんどみられなかった。杭基礎が適切に設計，施工されていたと考えられる。
  • 杭基礎ではない建物で、滑動およびそれに伴う周辺舗装などの損傷がみられた。利用者へのヒアリングでは、発災後しばらく下水設備が機能しなかったが、調査時点では通常通り建物を利用できているとのこと。
  • 金沢市の北稜高校、氷見市の宮田小学校では、上下水配管も損傷を受けたとのこと。地盤の被害に起因すると考えられる。両校とも、授業の再開にあたっては下水道の復旧が重要であったとのこと。
• 地盤
  • 金沢市の北稜高校や氷見市の宮田小学校では、造成時に盛土をしたと考えられる箇所で、地盤の崩落やはらみ出し、擁壁の傾斜などの顕著な地盤被害がみられた。
  • 羽咋市の大川町では、広い範囲に液状化がみられた。地域住民の方に伺った話では、住宅地となる前は水田であったとのこと。
  • 羽咋市、氷見市、高岡市、内灘町では、広範囲かつ大規模な液状化および液状化に伴う構造・ライフライン被害が確認された。被害範囲が大きいため、十分な時間をかけた調査ができたとは言い難く、更なる調査が必要である。
  • 特に，繰返し地震の影響，消雪機能の故障による雪害のリスク，雨水排水機能の低下による都市洪水のリスク，避難路の損傷により避難計画が機能しなくなるリスクなどが考えられるため，更なる調査が不可欠である。
• その他
  • 氷見市の宮田小学校では、発災直後の状況、避難所の開設、授業再開に向けての取り組みにについて、話を伺った。今回のように休日に発災した場合には市の職員が開錠する前に地域住民が到着し得ること、市の職員と地域住民，学校の平時からのコミュニケーションが重要であること、他施設や地域の被害状況についての情報のニーズを確認した。
  • 小松市天満宮をはじめ、社寺仏閣で石碑や灯篭などの設置物の滑動、転倒およびそれらに伴う破損がみられた。
  • 調査範囲内に設置されているK-NETの外観調査を行った。K-NET羽咋では隣接地の陥没に起因するとみられる傾斜がみられたが，その他のサイトでは外観上の問題点は確認されなかった。所内の関連部署に、調査結果を共有した。
• 今後、部門内で、第二次調査の計画を検討する予定である。

謝辞

氷見市立宮田小学校、加賀市役所、北國銀行加賀営業部、中谷宇吉郎雪の科学館、金沢市営陸上競技場、石川県立金沢北陵高校、羽咋市役所の皆様には、ヒアリングおよび調査にご協力をいただいた。加賀市役所、北國銀行加賀営業部、中谷宇吉郎雪の科学館、金沢市営陸上競技場、石川県立金沢北陵高校、羽咋市役所については、突然の訪問にも関わらず、丁寧にご対応いただいき、貴重な情報をご提供いただいた。皆様のご協力に、ここに篤い感謝の意を表す。

調査実施者

<aside> <img src="/icons/graduate_gray.svg" alt="/icons/graduate_gray.svg" width="40px" /> 河又　洋介

地震減災実験研究部門

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<aside> <img src="/icons/graduate_gray.svg" alt="/icons/graduate_gray.svg" width="40px" /> 藤原　淳

地震減災実験研究部門

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<aside> <img src="/icons/graduate_gray.svg" alt="/icons/graduate_gray.svg" width="40px" /> 西　崚汰

地震減災実験研究部門

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<aside> <img src="/icons/graduate_gray.svg" alt="/icons/graduate_gray.svg" width="40px" /> 合津　次男

地震減災実験研究部門

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